表面処理のグレードと特徴
コーティング
最新の高性能工具にとってコーティングは欠かせない技術です。
工具のコーティングにとって、以下の事項が重要です。
- 表面硬度を高めて、耐摩耗性を増強。
- 工具と切屑の間の摩擦を軽減して切屑排出を容易にし、刃先溶着を防止。
- コーティングにより熱伝達が妨げられて、温度上昇による軟化を防止。
- コーティングにより着色されるので、工具の摩耗状態の判定が容易。
グーリングのコーティングは多様なハードコーティングとソフトコーティング(MolyGlide)の2グループがあ ります。
コーティングの特性
S-Coating |
TiAlN |
C-Coating |
FIRE/ |
SUPER A |
|
---|---|---|---|---|---|
プロセス | PVD | PVD | PVD | PVD | PVD |
コーティング 温度 |
400℃ ~ 500℃ |
400℃ ~ 500℃ |
400℃ ~ 500℃ |
400℃ ~ 500℃ |
400℃ ~ 500℃ |
適応母材 | HSS/ 超硬 | HSS/ 超硬 | HSS/ 超硬 | HSS/ 超硬 | HSS/ 超硬 |
層 | 単層 | 単層 | グラデー ション |
多層 | 単層 |
色 | ゴールド | ブラック バイオレット |
グレイ バイオレット |
レッド バイオレット |
ダーク グレイ |
厚さ [μm] |
1.5-4.0 | 1.5-4.0 | 1.5-5.0 | 1.5-4.0 | 1.5-4.0 |
硬度 [HV0.05] |
2200 | 3300 | 3000 | 3300 | 3400 |
摩擦係数 | 0.5 | 0.5 | 0.4 | 0.6 | 0.6 |
最大使用温度 | <600℃ | <800℃ | <450℃ | <800℃ | <900℃ |
脱コーティング 可否 |
可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
再コーティング 可否 |
可 | 可 | 不可 | 可 | 可 |
適応加工 | 汎用 | 穴あけ、ボーリング | 穴あけ、ミーリング、タッピング加工 | 汎用 | 汎用(特にミーリング加工に適) |
適応被削材 | 汎用 | 鋼 | 鋼、インコネル、モネル等 | 汎用 | 高硬度鋼、ダクタイル鋳鉄、インコネル、アルミ合金等 |
特徴 | 経済的 | 耐熱性 | 耐衝撃性 | 汎用性 | HSC加工、重切削 |
nano A |
Signum |
MolyGlide |
Carbo |
Diamond |
|
---|---|---|---|---|---|
プロセス | PVD | PVD | PVD | PVD | CVD |
コーティング 温度 |
400℃ ~ 500℃ |
400℃ ~ 500℃ |
100℃ ~ 150℃ |
<200℃ | >700℃ |
適応母材 | HSS/ 超硬 | 超硬 | HSS/ 超硬 | HSS/ 超硬 | 超硬 |
層 | 単層 | 多層 | 単層 | 単層 | 単層 |
色 | ダーク グレイ |
ブロンズ | シルバー | ブラック | ブラック グレイ |
厚さ [μm] |
1.5-4.0 | 1.5-5.0 | 0.2-0.5 | 1.0-1.5 | – |
硬度 [HV0.05] |
3400 | 5500 | 20-50 | >6000 | >8000 |
摩擦係数 | 0.6 | 0.55 | 0.1 | < 0,1 | < 0,1 |
最大使用温度 | <900℃ | <800℃ | – | <600℃ | <600℃ |
脱コーティング 可否 |
可 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
再コーティング 可否 |
可 | 可 | 可 | 不可 | 不可 |
適応加工 | 穴あけ、ミーリング、リーマ加工 | 穴あけ、ミーリング加工 | 穴あけ、ミーリング、リーマ、タッピング加工 | 穴あけ、ミーリング、リーマ、タッピング加工 | 穴あけ、ミーリング、旋盤加工 |
適応被削材 | 鋼、ステンレス鋼 | 汎用(特に高強度鋼や難削材) | アルミ、アルミ合金、鋼、特殊合金等 | アルミ、アルミ合金、プラスチック | グラファイト、プラスチック、CFRP、アルミ合金等 |
特徴 | 耐摩耗、耐衝撃性 | 高硬度 | 摩擦減少 | アルミ合金加工 | CFRP、アルミ合金加工等 |